天体望遠鏡"出張メンテナンス" in 福岡教育大学


3月のあるくもりの日。

天気の日はレフ板のような観測ドームも今日は控えめです。


ここは"福岡教育大学"。

教育に関する九州地区の拠点大学として有名です。

今回はドーム内に設置されている天体望遠鏡の修繕依頼を受けてお伺いしました。


屋上天文台の中に鎮座するお相手は"三鷹光器 GNC-40"

ドイツ式赤道儀に口径40cmの純カセグレンを搭載。焦点距離は5200mm。

同型はいくつかみてきましたが、外装や電装系などから比較的初期のモデルじゃないかと推測。


アストロドームの銘板から設置は1980年代であることが分かります。

かれこれ40年。。。。年上です。。。


年代物の望遠鏡ですがボディーライン各所に散りばめられた三鷹の曲線美。

当時から"くびれのあるセクシーな天体望遠鏡"。


気になる望遠鏡の状態ですが、昨年の台風被害で雨漏りにあってしまったそう☔

侵入した雨水により光学系や電装系に不具合が生じたようで、今回のご依頼のきっかけとなりました。


まずは"心臓部"となる40cm主鏡から。取り外しにかかります。

午後から小雨が降りだしそうな空模様でしたので、スリットは開けずに照明を焚いて作業を進めます。(入口ドアは解放し作業中の換気は行っています)


取り外した主鏡鏡面の様子。

長年の汚れや雨漏りによる湿気の付着によりかなり反射率が低下しているのがわかります。

この状態では星像のコントラストや明るさにも大きく影響がでているでしょう。


洗浄液を塗布し払拭。付着した汚れや湿気を、鏡面に負担を掛けないよう慎重にちょっとずつ繰り返し払拭します。。


洗浄作業後の様子です。付着していたくもりは払拭することができました。

残念ながらカビや汚れの付着箇所にはポツポツと反射膜の劣化(膜抜け)がみられます。

本来なら再メッキがおすすめとなりますが今回は洗浄作業のみ。ただしこの状態でも当初より反射率の改善はかなり期待できます。


組み込んだ後は光軸調整を行いました。

粗調整は各反射鏡のセンタリングを、追い込みは星像にて倍率をかけて。


続いて電装系の修繕。サビが主な原因となった各動作不良箇所をひとつずつチェックしていきます。副鏡前後のフォーカススイッチやケーブル周りを補修。


赤道儀駆動系の点検。ギア周りの増し締めとグリスアップ。

赤経、赤緯ともに精密な駆動系です。


ここからはサブ鏡筒として同架されている"NikonED10cm"のメンテナンス。

対物レンズ。

表面の汚れが目立ちますが、内面にカビの付着もみられます。


分解洗浄。周辺にカビの広がり。

現場でのNikon分解は緊張💦


メンテナンス後。

40cm同様にコート劣化がみられ完璧な状態とはいえませんが、実際の使用には十分耐えれるレベルに改善しました。


Nikonファインダーも同様。

全面のカビはまるでソフトフィルターのよう。


メンテナンス後。

反射した投光器が光ります💡


最後は望遠鏡を宙に向け星像を確認。

光軸、追尾、サブ鏡筒およびファインダー軸を点検調整。

(当日は雨天となったため日を改めて再訪問しました)


古い望遠鏡ではありますが精巧さや眼視での見え方は現代の望遠鏡にも引けを取りません。

このノスタルジックな雰囲気もあわせてレトロ天文台の魅力ではないでしょうか。

これからも長く活躍することを願います。


天文ハウスTOMITAでは、 小型望遠鏡のメンテナンスだけではなく、天文台施設の大型望遠鏡や天体観測ドームなどの、 メンテナンス・修繕・改修も承っております。



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最後まで読んでいただき、

ありがとうございました!


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