FSQ-106ED鏡筒は明るさと鮮鋭な結像性能を合わせ持つ4枚玉フォトビジュアル屈折式望遠鏡です。スーパーEDガラスを2枚使用し、3枚目のレンズを前群に接近させ大口径化することで旧モデルよりさらに性能が向上しました。また、凹レンズに最適な硝材を用いることで近紫外域~近赤外域(400nmから1000nm)までの広い波長域で色収差補正が達成されています。画角φ10度以上にわたって完全にフラットフィールドな像面を実現しており、イメージサークルφ88mmの全面に針の先で突いたような星像を結びます。歪曲収差も旧モデルの約1/4にまで減少したことでモザイク合成が行いやすくなりました。
3枚目のレンズの径を大きくし前群に接近させることで光束が急激に絞られず、光線の角度によるケラレが少なくなりました。また、小口径でも発散性の強いレンズを4枚目に組み込むことで、カメラマウントによるケラレも少なくなり、輝星の回折光のクビレも少なくなっています。
眼視用の望遠鏡としても優れており、特にエクステンダーQ1.6×(50.8)を併用することでTOAと同等の収差レベルに補正され回折限界までの高倍率が得られます。
バックフォーカスは旧モデルよりも66mm延長され、天頂ミラーやエクステンダーの接続が行いやすくなりました。旧モデルではネジ込み式で接続していたものが50.8mm差し込み式で接続でき、アクセサリーの交換や姿勢変化への対応が行いやすくなっています。
接眼体も旧モデルから大きく変更されています。ドロチューブはスライドベアリングが組み込まれることにより滑らかな摺動を実現しています。ラックピニオン部には減速微動装置が標準装備され、精密なピント合わせが行えるようになっています。ドロチューブクランプはロック時のピントズレがほとんどないラックギアを挟み込む新方式となり、軽い力でも確実にドロチューブを固定できます。旧モデルにはカメラ回転装置が取り付けられていましたが、接眼体全体を回転させる方式に変更されました。
¥523,000価格