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執筆者の写真Orthoscopic13

SVBONY"SV503"に"70mmF/6"と"102mmF/7"が追加ラインナップ

更新日:2021年4月20日



登場からおよそ1年。高品質なEDレンズアポクロマートをセールスポイントに、マイクロフォーカス接眼部仕様、鏡筒バンドプレート付き、など上級者向けの装備を標準仕様とし、価格は驚きの5万円台という良心価格で提供。"コスパ最強"の名のもとに天文業界の話題を呼びまくったSVBONY社の鏡筒"SV503_80ED_F/7"(以下80ED)。

そんな"SV503"に"70mmF/6"と"102mmF/7"が追加ラインナップされました。


当店での取り扱いを開始するにあたり、製品チェックを行いましたので順に特徴を紹介していきましょう。


"SV503_70ED_F/6"
 

SV503_70ED_F/6(以下70ED)鏡筒本体は80EDを一回り小さくしたサイズ感。

フード短縮時の全長は、およそ320mm。

重さは、実測でおよそ2.25kg(バンド、プレート含む)


フードを最長まで伸ばしたところ。長さはおよそ370mm。

鏡筒バンド周りの外径は82mm。バンドとプレートとの接続は80EDと異なり、いわゆる"下駄"により嵩上げされています。


口径70mm対物レンズは2枚玉。前玉凸レンズがEDレンズでしょう。

焦点距離は420mm。口径比は70EDのみF/6となります。

反射を抑えコントラストを高めるマルチコート仕様。"SMC"と表記されています。


接眼部は1/10減速微動が可能なマイクロフォーカス接眼部。

2インチと31.7mm両規格に対応。

ドローチューブの最大繰り出し量は90mm。80EDと同じ仕様です。

眼視観測時にピントを出すためには延長筒や天頂ミラーが必要です。付属していませんので別にご用意ください。


通常の観測なら接眼パーツ込みでも3kg前後に収まる計算。経緯台でのお手軽観測がおすすめです。SkyWatcher"AZ-GTiマウント"との組み合わせがシックリきます。



"SV503_102ED_F/7"
 

SV503_102ED_F/7(以下102ED)は80EDを二回りほど大きくした印象。

フード短縮時の全長は630mm。


フードを最長まで伸ばすと10cm屈折といった印象。70EDや80EDよりも屈折望遠鏡らしいフォルムに変化します。

102EDの全長は、760mm。重量は、実測でおよそ4kg(バンド、プレート含む)。持った感覚は重量感あります。


対物レンズは口径102mm。焦点距離714mm(F/7)。

セル全体をチルトさせる光軸調整機構は省略されているため、口径10cmながらスッキリしています。


接眼部は共通仕様のマイクロフォーカス接眼部。

幅広ラックピニオンは重量のある接眼パーツ接続時でもピント操作に安心感があります。


直焦点撮影時の一眼レフカメラ接続イメージです。2インチ40mm延長筒とカメラマウントアダプターを組み合わせています。画像のピント位置はおおよそですが無限遠はだいたいこのくらいでした。


3者の比較
 

外観。

フードはすべて伸縮式。写真は伸ばした状態です。口径順にそれぞれフードひとつ分くらい長くなります。移動時も収納時も短縮フードは嬉しい。フード周りにストッパーネジはなくフェルトなどでスペースを埋めた機構となっています。伸縮操作は割と重たい感覚ですが自重で下がったりガタついたりといったストレスになる症状はほぼありません。

塗装の仕上げは同一で、白色部分は梨地で汚れがつきにくい。意匠のゴールドリングは好みがわかれるところ。フード側面のメーカーロゴは細かく見ると色ムラがある場合がありますが個性と捉えましょう。全体にスッキリした外観となっています。


対物レンズ。

セル全体をチルトする光軸調整機構は省略され鏡筒へはねじ込み接続となります。最近はこのタイプの方が多くみかけますね。光軸調整はセル側面からセットビスにより各レンズコバを押さえ芯出しを行います。通常はメーカーアジャストの状態で出荷されているため、ユーザー再度では触れることはないでしょう。70EDのみ口径比は一段明るいF/6となります。


EDレンズはオハラ社製「S-FPL-51」。

全シリーズ共通で低価格鏡筒では実現が難しかったEDレンズが採用されています。アポクロマート光学系となっており高いレベルで色収差を抑制。月、惑星、恒星、など様々な対象をありのままの色で観測することができるでしょう。上位硝材の「S-FPL-53」などとの比較では色収差やハロの発生は否めませんが、この価格帯での鏡筒としては十分満足のいく星像に仕上がっています。


マイクロフォーカス接眼部。

鏡筒胴周りの太さは口径により異なりますが、変換アダプターを介した接眼部はシリーズすべて同じ仕様となります。"80ED"でも定評の高かったラックピニオンに1/10減速微動ハンドル付き。重量のある2インチアイピースや撮影機材の接続時でも繊細なフォーカシングが行えます。

側面縦位置のボルトを取り外すとファインダー台座などが取り付け可能です。


まとめ
 

ここまで特徴を紹介してきましたが如何がでしたでしょうか?


個人的な感想は、

やるな!SVBONYさん‼

すでに定評を得ている"80ED"を大きく(小さく)した兄弟シリーズ。パーツや仕様はそのままに対物レンズ光学系が異なるだけといえばまさにその通りの仕上がりでした。


価格を考慮すると今回も高コスパです。実際に星像を確認してもその印象は変わらず期待通り価格の価値を上回る性能でした。


追加ラインナップされた口径と焦点距離の差が、実際の観測使用でどう違ってくるのか興味深いところです。観測地の光害や使用する接眼パーツでも大きく左右されるところですが、1台選ぶとなれば選択肢が増え悩みどころとなりそうですね。


次回、それぞれの撮影レビュー編!!上手くまとまれば紹介したいと思います。


商品ページ




※当店取り扱いの"SV503"はすべて出荷前点検(外観、付属品、光学系、光軸星像、動作)とファインダー台座をセットにしたトミタオリジナル仕様となります。

閲覧数:2,468回1件のコメント

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1 Comment


kyakkyu
Apr 18, 2021

70EDの対物レンズのセルの印字がDual Speed Foucsとなっていますね。ご愛嬌🔭💗

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